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 湿った暗闇の中で、少女が一人立ち尽くしている。 灯りも持たず、暗闇の中でただひたすらに何かを待つように。
 目の前に立っている社がほのかに冷たい光を発している。 少女は無気力な瞳でただそれをぼうっと見つめている。
 あたりは雫が落ちる音が時折する以外は静寂を保っている。空気の中で動かぬ静寂は雫の落ちる音のみに振動し反響する。それはまるで波紋のように。
 少女の頬を一筋、二筋と雫がこぼれ顎を伝って落ちていき、いつの間にかとめどなく涙の雫は同じ道筋を幾度も辿っていっては落ちる。
 少女の無気力な瞳にただ一つだけ色が篭っていた。震える唇からただ一言だけ言葉がこぼれた。

「オウマ、会いたいよ……」
 
 

「ひゃあ、つめたい!」

 いよいよ、日差しが強くなって夏を感じさせる陽気が続く日々。耀(ヨウ)はカヤを誘って山の中腹にある川へと連れてきた。

「あははっ」

 川に着くなりカヤは草鞋を脱いで川に走っていく。嬉しそうに川で遊ぶカヤを見ながら、耀は微笑ましく思った。
 カヤとの仲が進展して以来、カヤの家事を耀も手伝うようになった。元々、蛇の家に来てからというもの、何もすることがなかっただけに家事ぐらいはやらないとタダの居候になってしまう。
 幼いのころから一人で暮らしてきた耀は、家事をすることによって忘れてかけていた人と一緒に住むという感覚が蘇ってくるように感じられて、心の中で胸躍るものであった。
 耀も家事を手伝うようになってからは、カヤの負担がだいぶ軽減されたせいか、あらかたの家事が終わると二人はよく遊ぶようになった。と、言っても耀はカヤの遊びに付き合うといった形だが。
 相変わらずカヤはお手玉に夢中で持ち前の集中力のおかげでメキメキと上達していった。一緒に教えながら遊ぶ耀からしても、もはや一緒に遊ぶことはあっても、もうほとんど教えることは無くなりつつあった。もしかしたら、すぐに耀の腕前を超えるかもしれない。たかが遊びだが、耀はカヤに追い抜かれたくないと耀は耀でお手玉を練習するようになっていた。
 耀と遊ぶようになったカヤは徐々に本来あるはずの少女らしさを取り戻していった。巫女の役目と蛇の世話や家事でずっと抑えていたものがあったのだろう。流れ出した川の水のように途端に耀に甘えるようになってしまった。家事以外でもカヤは耀にずっとつきっきりになり、端から見ればそれは仲の良い姉妹にも見えるほどだった。

「耀。カヤと一緒に遊ぶのは構わないが、巫女の勤めだけはちゃんとできるようにしてくれよ」

 カヤの逆戻りっぷりに不安を感じたのか蛇はある日注意してきた。実際、耀に注意を促すほどの甘えぶりで耀自身も少しカヤのことが心配になることがあった。このまま、精神が幼児にまで逆行してしまうのではないかと。
 そして耀は、耀でカヤの甘えぶりに少々複雑な思いだった。元々は少年である耀、カヤは開口一番に姉さま姉さまで、時折自分は最初から少女だったような感覚に襲われることがある。最初のほうはカヤも耀が男であったことを意識していたフシがあったが、今ではもはや女性として接してきている。しかし、それはまだまだ女性としての身の振り方に慣れてない耀にとっては不安にさせるものだった。さらに言えば、未だに女性としての自分を受け入れられない自分が心の大半を占めている。しかし、カヤと接している時の自分はどこか男の頃の自分とは違う感情を抱いているのも感じていた。

「姉さまっ、姉さまもあそぼっ」

 一人で遊んでいるカヤを見つめながら考え事をしていた耀だったが、気がつけばカヤが着物の袖を引っ張っていた。着物の裾が濡れないように少しめくりながら、可愛らしい笑顔で見つめてくるカヤを見ていると耀は本当に妹のように可愛らしく思う一方、そんな自分を嘆いている自分が胸のうちでせめぎあいをしている。

「うん、一緒に遊ぼう」
「うんっ」

 微笑んで答えてあげると、本当に嬉しそうに頷いて川へと引っ張るカヤ。苦笑いながらも耀はカヤについていく。本当の自分はどっちなのか、耀はわからなくなっていた。

「ヌシ様も一緒に来ればいいのに」
「はは…、そうだね」

 川でひとしきり遊んだカヤは川原で石を集めて遊びながら、ふとこぼした。もちろん、耀も蛇を誘ったのだが、

「すまない、これから用事があってね」

 そう一言だけ言うと出かけてしまったのだ。ヌシとしての役目だろうか、瓢箪と木槌を持っていった。蛇は必ず一日に三回は山を歩くのが習慣のようで、その時にいつもその二つを持っていく。耀が蛇のもとに嫁として来てから数週間経ったが、蛇は耀を嫁として扱うことはなかった。家事を頼むこともなく、ただぼうっとしていても蛇は何も言わない。

「ヌシ様っていつもそう。ヌシ様からは何もしてくれない」

 今日もやはりカヤの口癖が出た。カヤとよく話すようになってから、少女を取り戻すとともに蛇への不満もよくこぼすようになった。蛇は力の必要な仕事のほとんどをやってくれるが、それ以外のカヤの相手をしてやったり、耀と接したりすることが少ない。とても淡白な蛇の態度に、耀はときおり不安になる。認めたくないが、耀は嫁としての勤めを果たしていないと思うたびに、自分はなんの為にここにいるのだろうか、と考えてしまうことがしばしばある。そして、それはカヤも同じようだ。

「今度ヌシ様に言ってあげようよ。ガツンと」
「あはは、そうだな」

 ――ホント、ガツンと言ってやりたいよ。
 もしかしたら、ガツンと言うだけでは済まないかもしれない。それこそガツンとゲンコツしてやりたいくらい。その不満がどこからくるのかわからないが、何かしら蛇に対して不満が溜まっていることは確かだった。
 耀は、着物の袖を捲くると小石を一つ拾う。小石をじっと見つめていると蛇の顔が浮かんでくる。耀は口の中で小さく舌打ちすると小石を川に向かって腕の振りを水平にして鋭く投げた。
 パンッ!
 水面を叩くような音とともに石は何回も水面を跳ねながら向こう岸へと跳んでいく。そしてもうすぐ向こう岸というところで角度が保てなくなり、向こう岸に辿り付くことなく水の中へと沈んでいってしまった。

「はぁ…」

 たった一回の行為で満足するわけがなく、耀は再び小石を拾おうと川原を見る。すると目の前に目を丸くして見つめるカヤがいた。驚いたような顔で見つめてくるカヤを見て、もしかして怒ってる勘違いされたかもと思い耀はムリヤリ笑顔を作る。

「か、カヤっ。これはつまり…」
「姉さまっ、それなんていう遊びっ!?」

 取り越し苦労だった。丸く開かれた瞳には好奇心でキラキラと光っている。相変わらず面白いものを見つけると途端に鼻息を荒くなるカヤ。耀は胸に手を当てて安堵の溜息をついた。

「あはは…。これはな、水切りっていう遊びなんだ。石を水平に投げて石が何回跳ねるか競争する遊びだよ」
「私もやりたいっ」
「いいぞ。じゃあ、なるべく平べったい石を見つけるんだ」
「うんっ」

 頷くやいなや、一生懸命になって石を探すカヤ。あれでもないこれでもないと、より平たい石を探している。耀も自分が投げる石を探す。あまり形にこだわらない耀はすぐに適当な一つ拾った。

「姉さまこれっ」

 どれにするか決まったのか、カヤは満面の笑顔で手のひらに乗せた石を見せる。

「うん、じゃあ俺が見本を見せるから、真似して投げてごらん」
「わかったっ」

 耀は、すうっと息を吸うと石をなるべく低く構えて、鋭く投げる。石は小気味いい音を立てて跳ねていった。

「じゃあ、同じようにやってごらん」
「うんっ」

 カヤの頭を撫でてやると、カヤは鼻息荒くしながら思い切って小さな身体を振りかぶって石を水平に投げる。最初ながらに、上手く石は水面を跳ねていく。一回、二回、三回…、石は順調に跳ねていくが五回ほど跳ねた後は水面を跳ねることなく沈んでしまった。カヤは残念そうに下を向く。

「ううー、姉さまみたい上手くいかないなぁ…」
「あはは、最初だからね。練習すればすぐ何回も跳ねるようになるよ」
「ほんとっ?」
「おう。だから頑張れ」

 再び石を探し始めるカヤ。またもや一生懸命になって石を探す。そして何個か石を拾ってきては水面に向かって投げるカヤ。お手玉や他の遊びもそうだが、のめり込むとひたすらやる性格のようだ。一人で夢中になって遊んでるカヤに耀は小さく笑う。
 ――あ、そうだ。
 ふと、あることを思いついた耀は、石を拾うと息をできるだけ多く吸った。息吸えるだけ吸い、そこで止めると自分の利き手である右手をお腹に置く。吸った空気が徐々に何かに分解されていく、それがお腹に集まっていく。徐々に臍のあたりから熱が起こり始めるのを手のひらで感じる。その熱は臍から手へと送られていく。そして、暖かくなった右手で石を持つと、吸った息を強く吐きながら石を投げつける。

「フッ!!」

 振り切った腕とともに鋭い風きり音が鳴る。先ほど投げた石とは打って変った凄まじい回転が篭められた石は物凄い速度で川の水面を切り裂いていく。向こう岸まで余裕の速度で到達した石はそれでも威力が落ちることはなく、最後に水面をはじいた後、目の前にある川に流されて摩耗して丸くなった巨大な岩に衝突した。

 パカンッ!

 岩に衝突して粉々になるはずだったが、あまりの速度に石は深く岩にめり込んだ。

 ピシピシピシ…。

 めり込んだ辺りから岩にひびが入り、終いには重い音とともに割れて崩れ落ちてしまった。

「あ、あはは…」

 ――むちゃくちゃだ。
 あまりにも人の力をかけ離れた威力に耀は笑うしかなかった。ここ数週間の間、蛇に教わった呼吸法を繰り返していくうちに身体の感覚として精が一体どういうものなのか多少は理解しつつある。耀は精について知ることによって、精というものがある程度の操作をすることができることを理解することができた。やり方がわかったと言っても筋力をほんの少し上げたりすることしかまだできないのだが、それでもこの威力である。平凡な人間だった身としては十分過ぎるほどの力だ。

「コラァ! 誰だァ!」

 見なかったフリをしようと耀が背を向けた途端、背後から怒鳴り声がした。

「へっ?」

 振り向くと割れた岩の横に人が立っている。黒髪に浅黒い肌の男がフンドシ一枚で立っている。それも赤いフンドシ。

「うわぁ……」

 き、気持ち悪い…。誇らしげにフンドシだけ身に付けている筋肉隆々の男の仁王立ちしている様に、耀は軽い眩暈を覚えた。よく見ると浅黒い身体が何故かテカテカと光っている。

「む? この俺の素晴らしい肉体に心を打たれたか?」
「なんでだよっ!?」

 あまりにもあまりな男の言葉に思わず、突っ込んでしまう耀。男の力が篭った一言一言の声が何故か異様に音が高くて情けない。しかし、かなり離れている向こう岸からよく通る声で怒鳴っている。何か危なそうなものを男から感じた耀は後ずさりし、いつでも逃げ出せるように構えた。

「むっ」

 耀の逃げるような仕草に気がついた男は、深くしゃがみ込む。

「おまえ…、逃げようとしてるな?」

 男がしゃがむと、脚の筋肉がボコボコと盛り上がっていく。そしてあっという間に前の何倍も脚の筋肉が膨張するやいなや、地面を勢い良く蹴ってこちら側の岸へと跳躍してきた。その跳躍は背後の木々を軽々と越えるほどの高さを維持しつつ、耀に目掛けて落ちてくる。

 バンッ!
「むあっ」

 男は見事に耀の立っているところに落下し、耀を押し倒して着地した。身体を川原に押し付けられた耀は、懸命にもがく。

「くっ…、は、離せよッ!!」
「嫌だね! 人が気持ちよく川原で昼寝しているところを突然岩カチ割りやがって…」

 男が青筋を立てて太い眉毛の顔をぐっと近づけてくる。カッと見開いた目からは怒りが見て取れる。泥臭い体臭が漂ってくる顔をこれでもかと近づけてくる男に耀は必死になって、両手で男の顔を押し退ける。

「テメェ…、こんな美形を拒否するかッ」
「だ…だっ、れっ、がっ! 美形だよっ!」

 男のほうがやはり力があるのか、また顔が近づいてくる。耀は鼻を摘みたくても両手で男の顔を抑えているために摘むことができない。生臭い匂いが鼻腔いっぱいに入ってくる。臭いのか嫌なのかだんだん涙腺が緩んでくる。男の鼻が匂いを嗅ぐようにプクプクと動く。

「おまえ、いい匂いがするな。食ったらいい精が取れそうだ」
「ッ!?」

 いよいよ恐怖感がこみ上げてくる。男が口を開けると異様に長くて紫色の舌が踊り出てくる。耀の暴れているうちに肌蹴た胸元を舌がベロリと舐めてきた。

「ううっ…」
「味はどうだろうな。女は美味と相場は決まっているが…」

 嫌悪感に身体が痺れる。身体を強張らせてしまい伸ばしていた腕が縮んでしまった。途端に男の顔がますます近づいてくる。もはや男の鼻が肌につきそうだ。耀は最後の抵抗として顔を背ける。

 ガコンッ!!

「ゲコォッ!?」
「ぶっ!」

 男の背後から鈍い音がするとともに、男の顔が急降下して横を向いていた耀の頬に男の鼻がぶつかる。一体何が起こったのかわからない男は、すぐさま顔を上げる。

「姉さまに触るなぁっ!」

 いつの間にか、カヤが両手いっぱいの大きな石を抱えている。男が怖いのか石が重いのか、カヤは膝をガクガクと震えながらも懸命に立っている。男のほうはよほど痛かったのか、両手で頭をかばいながら両目から涙が流して悶絶している。

「ううっ、顔が臭いっ、臭いよぉ…」

 男の下敷きになっている耀もまた男の顔が密着した部分を必死になって拭いながらゴロゴロ転がって悶絶している。

「くっ、テメェ…」

 頭を抱えながら悶絶していた男は、もがく耀から立ち上がるとカヤに向かって怒鳴る。

「ガキッ、痛ェじゃねェかッ!」

 あまりに大きな声にカヤは身体を強張らせるが、ひるみつつもキッと男を睨みつける。恐いもののカヤには耀を助けたいという気持ちで昂ぶっていた。男は頭を抑えつつカヤに歩み寄ってくる。カヤは重い石で手が震えながらも必死で構えて男を迎え撃とうとする。

「オメェ…」
 ヒュンヒュンヒュンヒュン…。

 男の背後の森から何かが物凄い勢いで回転しながら飛んでくる。

 ドコンッ!
「ホゲェ!!」

 その何かが鈍い音とともに男に激突すると男は川へと仰け反りながら吹っ飛んでいく。ほんの一瞬見えた程度だが、飛んできたのは一本の木槌だったのがカヤには見えた。カヤは呆気に取られた顔で男を見送ると確認の意味でもう一度、後を振り返る。

「あ…、ヌシ様?」
「よう」

 そこには不機嫌そうな顔の蛇が立っていた。

「大丈夫か?」
「あ、うん…」

 川原に転がっている耀に手を貸してやって起こす蛇。そして、自分の首にかけていた手ぬぐいで耀の顔をぬぐう。

「うぷっ、自分でできるよ」
「いいから大人しくしてろ」

 少し強引に顔を拭う蛇に耀は顔を少し背ける。ちらと顔を拭う蛇の表情を盗み見る。不機嫌というよりも、むしろ怒っているのかもしれない。

「……?」
「うらァ!! お前ら次から次へと何しや……あ」
「よう、カエル野郎」
「ぬ、主神ッ!?」

 川からずぶ濡れになって這い上がってきた男は一気に飛びかかろうとするが、蛇の顔を見るやいなや後ろへと飛びのく。ニヤリと口の端を吊り上げて凄惨な笑みを男に送る蛇。その表情を見ている男の浅黒い顔が恐怖のためか徐々に青黒いものへと変わっていく。

「俺の嫁がお世話になったようだな」
「あ、あははは……」

 男は乾いた笑い声とともに川へとどんどん後ずさりする。先ほどの余裕はどこに行ったのか、流れる汗も尋常じゃない量だ。カヤは耀と蛇の元に走り寄って来ると、サッと耀の背後に隠れて男を睨みつける。

 ゴポゴポ…。

 男の脂汗かと思っていたものが徐々に量を増やしながら、粘質なものになっていく。もはや、男の身体を覆い尽くすように粘液で身体が包まれてしまった。

「うっ…、アレって汗なのか…?」
「あれは、ガマの油だ。蛇に睨まれたなんとやら、だな」
「あ、あいつカエルなんだ」

 男の流す油を気持ちの悪そうに見る耀。蛇はガマ男の情けない姿に可笑しそうに笑ってみせるが、瞳は全然笑っていない。蛇は木槌を拾うと男にゆっくり歩みよっていく。

「さて、どうしてくれようか」

 男、窮地に立たされてなお身動きができない。いつの間にか睨まれているうちに身体が硬直してしまっているのだ。

「ぐぐぐ…」

 蛇が木槌を構えた瞬間、ガマ男はまるで呪いが解けたかのように素早くしゃがみ込んだ。

「ッ!」

 ガマ男は大きく後方の川へと跳躍すると水の中へと消えていった。

「ぬ、まだ逃げられるほどの気力を持っていたか」

 蛇は睨みつけられてもなお、逃げられる気力を持っていたガマ男に感心すると木槌を下ろした。耀はほっと胸を撫で下ろすと、カヤが耀にひしとくっついてきた。蛇は木槌をクルクルと指で回すとそれを背負って元来た道へと歩き出した。その蛇を耀は呼び止める。

「なんでここに?」
「俺は山のヌシだ。ここの状況なんていくらでも分かるのさ」

 ――そう、ここの状況はな。
 蛇は呟くように話すと、滝のほうに顔を向ける。

「……ん?」

 その蛇の動作を不思議に思った耀は蛇が向いた方を見る。視線は社へと通じる滝裏の洞窟の入り口へと向けられる。そして、そこから一人の少女が出てくる。耀の目は驚きで見開かれていく。深く苔生した洞窟から出てきた少女の姿に耀の胸は締め付けられていく。

「……レン」

 口の中で呟いたはずだった。だが、耀が少女の名前を口にした時、少女は赤くなった瞳で耀のほうを向いた。そして、先ほどまで抜けていた生気がみるみるうちに驚いた表情で満たされていき、口を開く。

「……オウマ?」

 対峙する二人を傍で見ている蛇の瞳がすうっと細くなった。
 
 
 
 

〜つづく〜


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